9 月 2009


先頃、矢筈岬でゴミ清掃活動を行なってくれた学生サークルの方から、礼状(メール)をいただいたのでご紹介したいと思う。

矢筈岬の海岸清掃

「早稲田大学学生環境NPOの環境ロドリゲスです。
 今回、9月の屋久島エコツアーにご協力をお願いした、矢筈岬での海岸清掃が無事に終了したことをご報告したいと思い、メールを送らせていただきました。
 当日は天候に恵まれ、縄文杉へのトレッキングや海岸清掃など全てのコンテンツをこなすことができました。
 矢筈岬には予想以上のゴミがあり、ツアーを企画したスタッフ・ツアー参加者全員が驚きましたが、清掃終了後には達成感を感じました。
 ツアー参加者からは、『縄文杉を見たことよりも、海岸清掃をしたことのほうが人生を変えてくれた』との声もあり、屋久島エコツアーを企画して良かったと心から思いました。
 このようにスタッフ・ツアー参加者に大きな影響を与えられたのは、NPO緑の風や屋久島に住む方々のおかげだと思っています。
 ほんとに多くの方に協力して頂き嬉しく思いました。また、たまたま旅行に来ていた東京農業大学の方達3名も海岸清掃に参加してくれたりと、人の温かさに触れることができ、貴重な経験になりました。」

矢筈岬の海岸清掃

環境ロドリゲスは、世界遺産地域でのエコツアーをいままでも行なってきたそうだ。この春先、屋久島で海岸清掃を行ないたいので現地の状況を教えてほしいと、ロドリゲスの山岸さんからNPO緑の風へ連絡があった。当法人も環境保全を活動の趣旨に掲げているので、喜んでご協力することにした。
9月予定のツアーには約30名の学生さんが参加し、島内での学習や清掃ボランティア活動、そして観光を行なうという。海岸清掃は安全第一なので、慣れた方を案内にお願いしたいと思っていたところ、ヤッタネ!調査隊の手塚さんに指導していただけることになった。

そして9月11日、矢筈岬の海岸清掃を行なったとのこと。屋久島の真北に位置する矢筈岬には、漂着ゴミが吹き溜まる場所がある。風向きや潮の流れ、湾曲した地形の関係で、流れ着いたゴミが台風などあっても出て行かず、溜まりやすい場所だ。体力に自身のある若者でも手こずったのではないかと思う。
町役場環境文化財団などが構成メンバーとなっている『屋久島生物多様性保全協議会』の主催で行なったので、拾ったゴミの片付け等の手順は心配なかった。島の方々も加わって、大人数で一気に片付けたとのこと。

矢筈岬の海岸清掃

11日頃は、ちょうど台湾からの流木の群れが屋久島に差し掛かった頃だ。高速船欠航の影響を受けたツアー一行だったが、屋久島の思い出を深く胸に刻んでいただけたと思う。いただいたメールにあったように、屋久島が良い意味での人生の分岐点になるとしたらすばらしいと思う。
私はこのところ東京にて居て、一緒に海岸清掃できなかったのが心残り。その後、せっかく掃除した矢筈岬が流木で埋まったかと思うと残念な気がするけれど、懲りずにまたゴミ拾いいたしましょう。
環境ロドリゲスの皆さん、屋久島をきれいにしてくれてありがとう。これからもよろしくお願いします。

早稲田大学学生環境NPO 環境ロドリゲス
http://rodo.jp/
屋久島エコツアー2009スタッフブログ
http://blog.goo.ne.jp/siretoko2007/
 
 

20日投票で即日開票だった屋久島町議会議員選挙の結果が、今日の午後になって「ザ・選挙」サイトに発表された。掲載データによると、定数20、立候補者33、有権者数11,104人、投票者数9,873人、投票率88.91%とのこと。

「ザ・選挙」サイトのスクリーンショット

立候補した新人16名の内当選は6名。現職17名の内落選が3名。ちょうど3割の新議員が誕生したことになる。前回報じたように、新旧入り乱れての激戦だったという。現職の議会議長すら落選したほどだ。唯一、政党から立候補した共産党の候補は第一位の高得票だった。
今回立候補した中には移住者が一人いたが落選。Uターン者2名は当選。新議員20名全員が屋久島で生まれた方だ。
選挙公報で「町民が主役」や「町民目線で」という言葉を使った候補者が何人もいたが、いままでにはなかったこと。時代の変化が感じられた。

当選された20名の議員には、これから屋久島町が抱える多くの難問解決が期待される。まずは、選挙にあらわれた民意をどう汲み取っていくかだろう。
島民も、選んだ議員にまかせっきりにしないで、一緒になって町づくりを進めてほしい。町政が良くなるのも悪くなるのも、最後は住民が結果を引き受けることになるからだ。離島といえども外界の荒波から逃れることは難しい。厳しい時代に向かって、島民は主権者としての責任をまっとうしてほしいと思う。

追記:
18日の記事で候補者のサイトは無いと書いたが、新しく当選された方がお一人ブログをやられていました。お詫びして訂正します。
≫屋久島ヨカニセの独り言

≫屋久島町議会ホームページ
 
 

9月10日から運休していた種子島・屋久島と鹿児島を結ぶ高速船が、20日午後から条件付ながら運航を再開した。
3年前トッピーが流木に衝突した事故の後、見張りを増やすなど運航に細心の注意を払い事故らしい事故は起こっていない。再開後も当面は、暗くなっての便は流木を回避できないので欠航するとのこと。

鹿児島港のトッピー
(写真は、衝突事故の後4号から7号へ改名したトッピー)

1989年トッピーの竣工以来離島の足として活躍してきたジェットフォイルは、現在はトッピーとロケットの2社8隻体制となっている。高速船の運航密度がこれだけ高いのは、全国でも種子屋久航路だけだそうだ。過当競争が心配されているが、値下げ競争でサービスが向上するのは利用者にとってはありがたいことだ。
飛行機やフェリーもあるが、所要時間と料金のバランスがよい高速船は、屋久島の観光客増加に大いに寄与してきた。それが10日間も動かない状態が続き、観光など両島の経済面への悪影響が心配されていた。

やっと平常に近い状態に戻ったが、連休前半の予約取り消しは大変な数に上っているという。観光業界の遺失利益は膨大だろう。
流木問題も全て解決したわけではない。まだ千本以上も残っているといわれる流木を回収するのが急務だ。今回、海上保安庁の巡視船のほか、種子島・屋久島漁協の漁船や海上自衛隊の艦船も回収にあたっているようだが、黒潮のゆれる波間から1本1本拾い上げる作業は簡単ではない。
大隅海峡付近における漂流木対策については、鹿児島県ホームページに詳しくあるので参照してください。

また、高速船の運航状況については、各船会社のホームページで確かめてください。
≫トッピー(鹿児島商船)
≫ロケット(コスモライン)
下の日毎の流木位置・範囲図()を見比べて欲しい。この数日間の流木騒動の状況がリアルに伝わってくるような気がする。

10管流木位置情報
(15日の流木位置情報/10管ホームページより)

10管流木位置情報
(17日の流木位置情報/10管ホームページより)

10管流木位置情報
(18日の流木位置情報/10管ホームページより)

10管流木位置情報
(18日の流木位置情報/10管ホームページより)

10管流木位置情報
(19日の流木位置情報/10管ホームページより)

10管流木位置情報
(20日の流木位置情報/10管ホームページより)

10管流木位置情報
(20日の流木位置情報/10管ホームページより)

参考:
≫屋久島発田舎暮らし通信: 高速船が運行再開!
≫南北600キロ 流木 生活・観光に打撃(朝日新聞 2009/9/14)
関連記事:
≫流木問題~続報
≫流木問題は島の経済全体に打撃?
 
 

上屋久町と屋久町が2007年10月に合併して初めての屋久島町議会議員選挙が始まっている。任期満了のため。9月15日告示、20日投票。合併特例による現在の議員数22名が、改選後は20名となる。

いま選挙戦たけなわである。宣伝カーが島中を走り回っている。
9月16日の読売新聞からちょっと引用。『33人が立候補を届け出た。立候補したのは現職17、新人16で、党派別では共産1人、無所属32人となっている。(中略)手数料の金額や福利厚生など、合併前から続く格差の是正が主な争点となっている。投票は20日午前7時~午後6時で、同8時から同町宮之浦の町離島開発総合センターで開票される。また、口永良部島の2か所では18日に繰り上げ投票となる。14日現在の有権者数は1万1188人。』

南日本新聞9月10日の記事

選挙公報が配られている。島外の方は、候補者一覧がインターネット新聞JANJANの「ザ・選挙」サイトにあるので見てほしい。
候補者の平均年齢は57.7歳。全員男性である。以前から女性の立候補は限られていたが、今回はゼロ。もちろん、屋久島町に女性議員はいない。議員のブログやホームページは見たことがないし、新しい候補者もサイトを開いてはいないようだ。(もし有ったら教えてください)
女性が家庭を守って雑用をこなし、男性が外向きの仕事を引き受けてきたのが島の生活だ。島外へ出てしまう若者が多いので、いきおい政治は年配男性の役割となる。そんな島社会が長く続いてきたのが屋久島だ。

島外にはチェンジの強風が吹いているが、屋久島はどうだろう?
8月30日衆院選の比例区投票では、屋久島に逆転現象が起きた。鹿児島の離島は強固な保守地盤といわれてきたが、変化の兆しが現れはじめているのだろうか。
観光立島をめざし新たな地域づくりを進めるためにも、若者や女性をひきつける魅力が、大自然のすばらしさだけでなくこの屋久島の社会にも必要だと思う。若者や女性の代弁者が居ると居ないのとでは、政治に対する関心の向き方が異なってくるのではと心配だ。
人口の約1割を占める移住者にとっても、島の行く末に無関係というわけには居られないと思う。若者も、移住者も、選挙には必ず行っていただきたいものだ。

上の画像は9月10日南日本新聞の切抜き。屋久島の記事の中では切り込んでいる。島外の風を受けたのだろうか。
いままでだったら告示の前に当落の趨勢がわかっていたというが、新人が多いので票読みは難しいと聞く。
島の有権者は、どのような意思表示を行うのだろうか。今回の町議選のゆくえに、島の将来がはっきりと見えるのではないかと思う。
 
 

口永良部島周辺には流木がごろごろしていると知人から聞いた。種子島の長浜に打ち上げられた多数の流木の写真がネットに出ていた。
屋久島は15日から町議会議員選挙に突入したが、投票日の20日をはさむ連休(シルバーウィーク)は観光業のかきいれどきなので、流木問題が島経済に重くのしかかってきた。

10管流木位置情報
(15日の流木位置情報/10管ホームページより)

観光協会は町へ要望書を出し、町は県へ要望をあげる。種子島屋久島振興協議会(両島の4市町で構成)や県旅客船協会は、自衛隊の災害派遣など早急な対策を求める要望書を県に提出したそうである。
自衛隊は装備の不備などを理由に動けないとのことだが、県は漁協や港湾・漁港建設協会に対し、流木回収作業への協力を要請。漁船の燃料代を負担するという。既に種子島の漁協関係者は動き始めていた。

人海戦術が有効となり、高速船の運行再開が連休に間に合えば、観光業への悪影響を少しは防げるかもしれない。17日からは、JAC(日本エアコミューター)が鹿児島~種子島に臨時便を飛ばし、1日3往復から4往復へとなるそうだ。屋久島は1日5往復で変わりなし。
選挙の宣伝カーが姦しい割りに、島民は意外とあっけらかんとしているという。フェリーや飛行機が動いているので物資や人員が移動でき、とりあえず困らないからかもしれない。

しかし、来島の人数は間違いなく減っている。レンタカーも前ほど動いていない。ガイド業や宿泊業へのダメージも増えそうだと聞く。
観光客減少で直接影響を受ける人と受けない人とでは、島の外と内とでは、流木問題の受け止め方に温度差が見受けられるような気がする。高速船長期運休の影響の大きさは、しばらく経ってからでないと、はっきり現れないのかもしれない。
 
 

先週はじめ、トカラ列島沖で見つかった約5000本といわれる流木は、海流に乗って大隈海峡付近へ達し、各地で被害を広げている模様です。新たに、奄美大島近海で1200本見つかったとの報もありました。
巡視船などが回収作業を続けていますが、終了のめどは立っていないとのことです。鹿児島港と種子島・屋久島を結ぶ高速船は、10日以降ずっと欠航が続き、再開の見通しが立ちません。宿のキャンセルも出ているようです。

いなか浜の流木

 ・・・続きは島交流の会ブログで。
 
 

種子島からの話題です。夜中で天気もよくなかったので、屋久島から打上を見た人はほとんど居なかったかも。

『国際宇宙ステーションへ物資を運ぶ新型の無人補給機が、種子島宇宙センターから11日未明、これも新型ロケットによって打ち上げられました。
スペースシャトルが来年退役すると、宇宙ステーションへ大型物資を運ぶ手段はこの無人補給機だけになるとか。日本の科学技術の高さに、アメリカ・中国をはじめ世界が注目しているそうです。』
 ・・・続きは島交流の会ブログで。
 
 
Studiof32サイトのスクリーンショット
追記:
ロケット打ち上げの様子を屋久島から撮っていた方がありました。写真家の大沢成二氏です。
11日の真夜中に、安房付近にカメラを据え、種子島から上る火柱を撮ったとのこと。詳しくは大沢成二ホームページ Studiof32で。
 
 

ブランド総合研究所が9月10日発表した「地域ブランド調査2009」の調査結果によると、全国で最も魅力的な市区町村は、1位が函館市、2位札幌市、3位京都市、4位横浜市、5位神戸市と続き、町としては10位軽井沢町の次ブランド総合研究所が9月10日発表した「地域ブランド調査2009」の調査結果によると、全国で最も魅力的な市区町村は、1位が函館市、2位札幌市、3位京都市、4位横浜市、5位神戸市と続き、町としては10位軽井沢町の次に11位屋久島町だった。昨年に比べて上位の順位はほとんど変わらず、屋久島町も同順位。また、都道府県に対する評価で鹿児島県は18位だった。

調査対象は全783市(2009年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な194の町村を加えた計1000の市区町村。それと今回新たに47都道府県を加え、認知度や魅力度、イメージなど全63項目を調査したということだから、その中で屋久島の11位は立派なもの。
世界遺産の知名度が、ここでもものを言ったことは疑う余地がない。私見だが、自治体としての屋久島町ではなく、地域としての島の魅力に高い評価がついたのだと思った。

リリースによると、平成の大合併で地域のかたちが見えにくくなっており、消費者が何をどの程度評価しているか、地域の魅力がどれだけ伝わっているか、いないかを判断することが、地域ブランド戦略に取り組む上で非常に重要だとのこと。
市区町村のデータは過去3年分あるというので、「観光してみたい」自治体や「住んでみたい」自治体の詳細な区分けデータを知りたい気がする。
 
 屋久島町だった。昨年に比べて上位の順位はほとんど変わらず、屋久島町も同順位。また、都道府県に対する評価で鹿児島県は18位だった。

調査対象は全783市(2009年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な194の町村を加えた計1000の市区町村。それと今回新たに47都道府県を加え、認知度や魅力度、イメージなど全63項目を調査したということだから、その中で屋久島の11位は立派なもの。
世界遺産の知名度が、ここでもものを言ったことは疑う余地がない。私見だが、自治体としての屋久島町ではなく、地域としての島の魅力に高い評価がついたのだと思った。

リリースによると、平成の大合併で地域のかたちが見えにくくなっており、消費者が何をどの程度評価しているか、地域の魅力がどれだけ伝わっているか、いないかを判断することが、地域ブランド戦略に取り組む上で非常に重要だとのこと。
市区町村のデータは過去3年分あるというので、「観光してみたい」自治体や「住んでみたい」自治体の詳細な区分けデータを知りたい気がする。

去年ほどではないが今年も屋久島に来る台風は少ない。空梅雨だったこともあり、雨量の少なさは記録的ではないかと思っていたら、今月に入って大雨や雷や地震まで来た。天候のブレは年々ひどくなる。温暖化は、間違いなく進んでいると思う。
あれから1週間が経つ。総選挙の結果もやはり、天変地異に匹敵する出来事だったと思う。

選挙演説

古新聞の片付けをしていたら、たまたま皆既日食当日の記事が目に留まった。考えてみたら、日食前日の21日が衆議院解散の日だった。
いざ決戦!などと勇ましい文言がかしましい。選挙の日が近づくにつれ、歴史的瞬間が近づいているという見出しが躍っていた。そう言えば、皆既日食にも「世紀の天体ショー」と枕詞が付いていたっけ。マスコミは大仰に騒々しくするのが得意だ。離島の繰上げ投票が順調に行われているという記事もあり、選挙結果が出るまで落ち着かなかったことを思い出した。

思えばずっと昔から願ったチェンジだった。戦後の高度経済成長期を通して、我々は物質的には豊かになった。容易に欲しいものが手に入るようになった。しかし、失われたものの大きさを忘れたわけではなかった。
バブル崩壊で経済成長が止まり、長い停滞の時代となる。社会のひずみや様々な格差が広がるようになった。そこでチェンジだ。
政権交代が実現して実際に世の中が変わるかどうかはこれからだが、期待するような結果が出なければ我々はまたチェンジを願うのだろうか。

毎日新聞8月31日の社説に、「かじ取りを委ねた有権者にも責任がある。日本政治は、これまで以上に国民が当事者として参加、監視する新時代を迎えたのだ。」とあった。他力本願をやめ、主体的にかかわれと言っている。
もちろん、人々にとって普段の生活の中で政治にかかわることは簡単ではない。仕事に追われ、生活に追われ、遊びに追われ、政治は身近な存在ではない。
しかし、政治は利害調整を担ったり国の仕組みを定めたりする社会の基本だ。自分や家族を大切にするためにも、政治と無関係ではいられない。

劇的な選挙結果だった割には、世の中に高揚感が見られない。直ぐにも景気が良くなり社会に明るさが満ち溢れるわけでもないから当然とはいえ、それだけが理由ではなさそうだ。
国民の多くが、あちらが期待できて良いというプラスの選択ではなく、こちらは信用できなくてダメだ、一度変えようというマイナスの選択をしたからではないだろうか。従来の政権党に白紙委任を続けてきたが、どうにも具合が悪いと気付き、変化を望んだのではないだろうか。
しかし、政治は他人事と自らものを言わず、長く他人まかせにしてきた結果、能動的な選択ができなくなってしまっているかもしれない。4年前のフィーバーも、思えば受け身の熱狂だったような気がする。

憲法に、主権は国民にあると書いてある。将来が見通せない時代だ。変化への主役を、国民は引き受けるつもりがあるのだろうか。本気度が試されるのはこれからだ。
まずは、新政権を見守らなくてはならない。旧政権党も気品を持って再生して欲しい。国民自身も、社会参加を通じた政治へのかかわりを始める必要があるだろう。「公」に身を委ねてばかりではなく、「公共」を自ら創りだしていく気概を人々は持ってほしい。
社会参加をもっと身近なものにするためには、NPOや地域コミュニティーなど新旧の共同体が機能することが望ましい。自然に感謝し地域のつながりを大切にする伝統的価値観と、経済成長一辺倒から幸福度重視へと舵を切っていく考え方には、相通じる部分があるのではなかろうか。

天変地異の多くは人災と言われるが、今回は人為の結果だった。国のあり方が根本から変わる可能性のあった選挙に、有権者の約7割(屋久島は約77%)が票を投じたのだ。責任を取るのは有権者以外には無い。

屋久島では、9月20日に町議会議員選挙を迎える。島民はいままでどおり選良への白紙委任を続けるのか?それとも主体的に行動するのか?チェンジの風は南の島へまで及ぶのか?島独自の問題が伝統社会を揺り動かす力となり得るのか?
総選挙のデータ(※)によると、屋久島の有権者の意識は、鹿児島の他の離島に比べちょっと違うことがわかる。都市部で圧倒的な強さを見せた新政権党は、郡部ではそうでもなかった。屋久島の比例代表の結果は、他の離島と反対だった。移住者の割合が他に比べて多いことが、ひょっとしたら影響しているのかもしれない。
ともあれ、変化の形が少しでも現れるのかどうか、町議選の結果を注視したいと思う。

こちらを参照してください。
 
 

「日本サードセクター経営者協会」が発足するというので、話しを聞きに9月1日の記念イベントへ出かけた。
サードセクターとは、NPO法人や社団・財団の公益法人、福祉・医療・学校・宗教などの法人、協同組合など、公共性の高い社会分野を表すとのこと。第1セクターは政府・自治体を言い、企業が第2セクターとなる。

JACEVO設立記念イベント

NPO法(特定非営利活動促進法)が施行されて11年、NPOはすっかり日本社会に定着した感がある。去年は公益法人制度の改革も行われ、時代の流れの中で公共分野のあり方が大きく変わろうとしている。とはいえ、多くのNPO法人は経営的に苦しいのが現状だ。
サードセクター経営者協会は、NPOの自立を助けたいとの考えで、NPO経営者の能力を高め、ネットワークを広げる支援を行いたいという。そのため、「つなぐ」「伸ばす」「提言する」という三つの基本機能を掲げている。

政権交代が実現したばかりだが、人口減少や格差拡大、景気の停滞、新興国の台頭と国際競争の激化など、日本社会の基盤は大きく崩れ、来るべき未来の姿はいまだ視界の外である。
新しい公共空間形成の萌芽はいたるところに見られるが、市民社会の先輩格の欧米に比べそれがハッキリした形になっているわけではない。さりとて土着的日本風土との融合も回帰も、地域コミュニティが崩壊しつつあるいまとなっては大変困難な作業だ。

変容しつつある市民社会の中で、サードセクターは公共サービスの新しい担い手として期待が大きい。だが、単に行政の下請け的役割を引き受けるだけなら、社会を変える力にまで育つことはおぼつかない。
日本では、「公」と「公共」の違いがはっきり認識されていない。サードセクターという言葉すらほとんど知られていないのだ。
市民と政府の間に存在し、公共的諸問題を解決したり、創造的未来に向けて活動を始めることが、サードセクターには求められている。しかし、真に三番目の主役として活躍できるかどうかは、市民自身の自覚にかかっているといえる。

サードセクターをまとめようとする試みは日本では初めてのことである。新しい政権党からの来賓挨拶でもそう述べていた。公益法人やNPO法人などの連携が市民を主体にして進めば、いままで公益サービスを一手に担ってきた行政分野に新たなライバルが登場することとなり、社会によい意味での緊張を与えるだろうと期待できる。
サードセクター経営者協会が括ろうとしている社会分野は、可能性が詰まった未来の星である。政策提言まで行えるようになればすばらしいし、すでにある程度の実力は備わっているといえよう。
協会が発足したいま必要なことは、サードセクターの意義を広く認識してもらうことであり、市民の共感を得ることだ。地道でもいいから継続した活動を願いたいと思う。

参考:
≫非営利団体:経営のノウハウ共有へ、協会設立 政策提言も目指す(毎日新聞 2009/9/2)